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2006年10月11日(水)、12日(木)、13日(金)の3日間、兵庫県神戸市の神戸国際会議場において第38回日本臨床検査自動化学会が開催されました。アークレイでは、学会3日目の11月13日(金)にランチョンセミナーを後援いたしました。
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▲座長の高橋先生 |
座長には関西医科大学臨床検査医学講座教授の高橋伯夫先生を、演者には関西医科大学小児科学講座教授の金子一成先生をお迎えし、「学校検尿制度による小児腎疾患の診断と治療」と題しまして、学校検尿の効果と重要性についてご講演いただきました。
ご講演いただきました内容についてご紹介いたします。
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| 学校検尿の歴史と実態 |
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▲演者の金子先生 |
昭和40年代は腎疾患により学校を長期欠席する児童が多く、教育的見地から問題となっていた。当時、学校を長期欠席する原因のうち、病的原因では腎臓病の割合が最も高く、また、腎疾患が予後不良なこともあり、早期発見および治療による重症化の遅延もしくは回避が望まれていた。これを受けて、昭和48年より学校検尿制度が開始された結果、小児慢性腎炎の80%が学校検尿で発見され、早期治療によって、1994年(学校検尿開始後21年)以降の30歳代の透析導入率にも減少がみられた。
現在の学校検尿制度は、1次検査、2次検査、3次検査と進む段階制や検査結果の判定基準が定められており、この方式により、起立性蛋白尿や月経血などによる誤判定防止、検診段階での腎疾患タイプのスクリーニングが効率よく行われている。学校検尿における陽性件数は、3段階制を実施している東京都では1%未満であり、そのうち約半数が血尿のみ、約30%が蛋白尿のみであり、両項目が陽性の例は5%程度であった。単独項目陽性例中の腎炎患者はさらに少なく、数%程度にとどまるが、両項目陽性例では腎炎患者は60%に達した。また、陽性項目により、どの腎炎を発症しているかの頻度も異なっていた。
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| 学校検尿異常時の対処方法 |
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問診にて、過去の検査異常歴や、遺伝性腎疾患の除外のために、家族における腎疾患や難聴者の有無などの確認を行う。血尿であれば月経血混入の可能性や尿路感染症の既往歴、蛋白尿であれば早朝第一尿であったかの確認も重要である。また、理学的所見として、扁桃肥大や浮腫の確認と血圧測定を実施し、IgA腎症の可能性を探る。検査としては、血尿であれば尿中赤血球形態やCa/Cre比、蛋白尿であれば定量測定やβ2-マイクログロブリン (β2MG)の測定を実施する。血尿であれば、腹部超音波による結石や尿路奇形などの検索も必要となる。
血尿が無症候性血尿に分類される場合、糸球体性血尿であれば血液検査を行い、腎機能の状態を把握する必要がある。
蛋白尿であれば、蛋白/クレアチニン比(P/C比)を利用し、尿量を補正して正確な蛋白排泄量を算出することが有用である。P/C比<1.0の場合であれば経過観察だが、P/C比>1.0であれば血液検査などの詳細な検査が望ましい。
血尿・蛋白尿混合陽性者においては、腎生検の必要があり、P/C比や赤血球形態、β2MG、腹部超音波などを含めて腎の状態を把握し、P/C比>1.0であれば即時入院が必要である。
P/C比は、蓄尿を要する一日蛋白排泄量と高い相関があり、かつ、随時尿により算出可能ではあるが、定量法により蛋白濃度とクレアチニン濃度を測定する必要がある。近年、半定量検査により自動でP/C比が算出可能な試験紙が開発された。この試験紙の評価を行った結果、定量法におけるP/C比と高い相関性があり、臨床上十分な有用性があると考えられる。
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| 学校検尿の問題点 |
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学校検尿は年間40億円ほどの経費がかかる事業であり、欧米では、そのコストに対する陽性率の低さから費用対効果が悪いとされ、本制度が採用されていない。経費の削減には、腎炎確率の高い検査陽性者を効率的にスクリーニングし、検査対象者を減らすことが望まれる。そこで演者らは腎炎の効率的検出法として、自動尿中有形成分分析装置を利用し、糸球体性血尿か否かの判断を行った。その結果、3次精密検査対象者のうち、非糸球体性血尿を呈した場合に腎炎を伴わない確率は96.68%であり、赤血球形態の観察により腎炎確率の低い検査陽性者、すなわち偽陽性者の検出が可能であることが示された。
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▲満席の様子 |
演者の金子先生には、2004年の自動化学会でも「臨床医から見た尿検査」と題してご講演いただきました。このご講演はたいへんな好評を博しましたが、今回も満員御礼となりました。
客席数200席の会場は、講演開始10分前には来場者で満員になり、追加のお席をご用意してもなお足らず、立席での聴講を希望されるお客様が多数いらっしゃるほどの盛況ぶりでした。ご講演のなかで、弊社の尿試験紙オーションスティックス10PAをご紹介してくださったうえに、P/C比の有用性について解説してくださいました。
ご来場いただきました皆様には、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
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