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HOME > セミナー情報> 第9回 日本糖尿病教育・看護学会学術集会 ランチョンセミナー報告
セミナー情報
 
 
第9回 日本糖尿病教育・看護学会学術集会 ランチョンセミナーの報告
 2004年9月に愛媛県県民文化会館で開催された第9回日本糖尿病教育・看護学会においてランチョンセミナーを共催いたしました。
 「糖尿病の治療戦略−インスリン療法の進歩とSMBGの活用−」と題して、東京女子医科大学の岩本安彦先生にご講演いただき、座長には福岡県立大学看護学部の安酸史子先生をお迎えしました。セミナーの内容についてご報告いたします。
長く続く血管障害の時代からの脱却をめざして
東京女子医科大学 岩本安彦先生
 1998年の時点で糖尿病性腎症が透析導入原因疾患の第一位になり、2003年には糖尿病性腎症が原因で新規透析導入に至った例が全体の41%を占めるまでになった。また、糖尿病性腎症の生存率は腎硬化症と同レベルで予後も悪い。
 一方、糖尿病性網膜症による失明は成人失明原因の第一位である。糖尿病は白内障、緑内障の原因にもなりうることを考慮すると、実際には更に多くの失明が糖尿病由来であると考えられる。
 さらに糖尿病に起因する動脈硬化性疾患も増加しており患者のQOLが低下するばかりか、社会的かつ経済的な影響も大きい。
 1993年のDCCTの終了後、対象者の通常インスリン療法群にも強化インスリン療法を適応し、さらに追跡調査した研究に<EDIC>がある。4年後、元の両群とも平均HbA1c値は同レベルになったが、その時の網膜症の発症頻度は、元強化インスリン療法群のほうが元通常インスリン療法群と比較して明らかに低かった。厳格な血糖管理の効果は、将来にわたってもある程度継続されることが明らかになった。UKPDSなど他のメガスタディの結果からも、できうる限り早い段階からの厳格な血糖コントロールが必要であることは明白である。
 学童における2型糖尿病の発症頻度は肥満の増加とともに高まっている。若年発症2型糖尿病の場合は、当然ながら若くして罹病歴が長くなってしまい、強化インスリン療法を行っても良好なコントロールが得にくいという特徴がある。
インスリン療法の進歩
東京女子医科大学 岩本安彦先生 インスリン療法で重要な事はひとりひとりのインスリン分泌パターンを把握することである。
 超速効型と中間型による二相性インスリンアナログ製剤は、食後高血糖を抑制し、その後の低血糖が起こりにくい点が特長である。この二相性インスリンアナログを一日2回投与することで高い効果を得ることができる。
 このほかにも、持効型インスリンアナログは基礎インスリンの補充に適しているし、国内では第三番目になる超速効型インスリン製剤が開発中で、数年後には実用化される予定であるなど、近年次々とインスリンアナログが実用化され治療の選択肢が広がりつつある。
SMBGの活用
 昨今、SMBGは機種も増え、操作の簡便化や痛みの軽減により患者様への負担も少なくなってきている。
 東京女子医科大学ではSMBGを有効に活用しているかを調査する患者アンケートを実施した。その結果、測定の頻度やSMBGの経験年数と病態との間に関係は見られなかった。しかし、血糖値を自分で解釈できるという人やSMBGを有効活用していると思うという人は明らかに平均HbA1c値が低かった。すなわち、むやみにSMBGの頻度だけを上げても効果が現れにくく、なぜ高くなったか、なぜ低くなったかを患者様自身が考えてみる事、そして予測することが重要であるといえる。試行錯誤で自分の血糖値の動きを知ろうとする行為そのものが教育的効果を生むのであろう1)
 強化インスリン療法により発生リスクの高まる低血糖を抑制するためにも、SMBGは有効な手段である。たとえ採血時の痛みが軽減されてきたとはいえ、指頭の穿刺が苦痛であることにかわりはない。この苦痛を軽減する方法として、指頭以外の代替場所での採血によるSMBG(AST)が話題であるが、この方法では急激な血糖値の変動を速やかに検出できない危険性が指摘されている。Diabetes Care2004年6月号への、和歌山県立医科大学南條輝志男先生らのグループ゚によるご発表によると、ASTでの採血は、皮膚を吸引しながら行ったほうが、吸引しないよりも血糖応答の遅れが少なくなることが確認された。
 SMBGはただやみくもに測るばかりでなく、データを上手に活用することによって自己管理の改善につなげたいものである。
文献
1) 福島有香ほか:糖尿病患者における血糖自己測定の有効な活用法と病型による相違.糖尿病44 ( 12 ) : 959 - 963 , 2001
   
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