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SMBG Basics
   
 
血糖自己測定(SMBG)とは
   糖尿病の治療は、血糖のコントロールが基本です。しかし、血糖の動きは厳密にいうと人によって全部異なり、また同じ人でもいつも一定とは限らないのです。インスリンや経口薬を使っていると、その動きはさらに複雑になります。
 そんな血糖を適正にコントロールするには、血糖の動きをモニターし、コントロールがきちんとできているかどうかをチェックする必要があります。特にインスリン療法では、血糖の状態によって、インスリンや食事の調整が必要なため、きめ細かい血糖のチェックが必要です。
 日常の生活でもそのチェックをできるようにしたのが、血糖自己測定です。
 医療機関でしかできなかった血糖測定を自宅でも24時間いつでも測定でき、揺れ動く血糖をリアルタイムでとらえる。そして、その血糖値を治療にフィードバックする。このシステムが、より正常に近い厳格な血糖コントロールを可能にします。
 血糖自己測定は、インスリン療法を支える重要な手段であると同時に、糖尿病患者様が健常なかたと変わらない社会生活を実現するための頼もしいツールとなるに至ったのです。

   
 
SMBGの歴史
   1970年代当初、簡易型の血糖測定器は、病棟での血糖測定用に開発されたものでした。
しかし、インスリン注射が不可欠な1型糖尿病の血糖コントロールには頻回の血糖測定が必要であり、在宅でのインスリン注射の普及とともに、血糖値の自己測定の必要性も高くなりました。たとえ研究室の費用持ち出しであっても簡易型の血糖検査機をSMBGで使おうとする先駆的な施設も増える一方でした。
 こうした風潮の中、1986年にインスリン自己注射の患者への血糖自己測定指導加算がはじめて保険で認められることになりました。
 以後、糖尿病治療におけるSMBGの重要性が益々認識されるようになり、また血糖測定器の機器の改良が進み、操作性にすぐれた誰にでも扱える機器が登場したこともあいまって、急速にSMBG人口は増加し、現在日本国内のSMBG使用患者様は60万人を超えると推測されています。

   
 
SMBG機器開発の歴史
   1970年代に酵素(GOD:グルコースオキシダーゼ)によるグルコース解糖反応を測定するポータブル型の血糖測定機が登場しました。
 当初は血液中のグルコース濃度を試薬の色の変化であらわし、光をあて反射光を測定し血糖値に換算するシステム(酵素比色法)でした。一定の時間で化学反応を止めるために、試薬を水洗いする必要がありました。後に水洗いのかわりに脱脂綿による拭き取りだけで済むようになり、さらには拭き取りそのものが不要なノンワイプ式にまで進化してきました。
 1990年代にグルコースオキシダーゼによる反応をグルコース濃度に応じた電流の量として捉えるシステム(酵素電極法)が登場しました。この酵素電極法を採用したトーエコースーパー(GT-1610)は、毛細管現象を利用して電極チップに血液を吸引するしくみで、測定の自動スタートを可能にしました。血液の点着や拭き取り操作の強弱など、操作者の手技による誤差をなくしたことで、国内のSMBG機器の主力になりました。
 そして現在では、測定に必要な血液の量はわずか0.6μL、測定時間15秒ときわめて簡単便利なシステムが、多くの糖尿病患者様にご利用いただけているのです。

簡易血糖測定機の変遷
 
第1世代:酵素比色法(ストリップ試験紙型)
  試験紙を目視することも可能
水洗いまたは拭き取りで反応を止める
操作者の手技による誤差が大きい
第2世代:酵素比色法(ノンワイプ試験紙型)
  水洗いや拭き取りの必要がない
操作者の手技による誤差が少ないタイプ
第3世代:酵素電極法
  化学反応で発生する電流を捉える
現在主流の方式
第4世代:無侵襲方式
  採血不要
国内では未発売
近赤外線方式、細胞間液吸引方式などが開発途中

表. アークレイのSMBG機器開発の歴史
 
発売年 製品名 特徴
1970年
デキスター
アイトーン
世界初の簡易血糖測定装置 
水洗い必要
1977年
1978年
アイトーンマークII
デキストロメータ
デジタル表示採用
水洗い必要
1979年 ヘマスコープ 水洗い必要
1983年 トーエコー 水洗い不要の試験片拭き取りタイプ
2分測定
1986年 トーエコーII 水洗い不要の試験片拭き取りタイプ
2分測定
1989年 トーエコーIII 水洗い不要の試験片拭き取りタイプ
1分測定
1991年 トーエコースーパー 酵素電極法
1分測定
1994年 トーエコースーパーII 酵素電極法
1分測定
1997年 グルコカード 酵素電極法
30秒測定
1998年 グルコカードGT-1640 酵素電極法
30秒測定法
グルコカードData GT-1650 酵素電極法
30秒測定
(120検体メモリー、外部ジャク付き)
2000年 グルコカードα GT-1660 酵素電極法
30秒測定
音声オプションほか接続可能
(120検体メモリー、外部ジャク付き)
2002年 グルコカード ダイアメーター
GT-1641
酵素電極法
15秒測定音声
グルコカード ダイアメーターα
GT-1661
酵素電極法
15秒測定音声
オプションほか接続可能
(120検体メモリー、外部ジャク付き)
2003年 グルコカード Gメーター
GT-1810
酵素電極法
15秒測定
360検体メモリー、食事マーク、自動補正
音声オプションを除くオプションに接続可能

   
 
これからのSMBG
   SMBGによる血糖測定にかかる時間は10年前の1分から10数秒にまで短縮されました。
しかし一方、採血時の痛みへの関心はなお高いのです。測定に必要な血液の量が少なくなってきており、それに伴いより少ない侵襲(針を刺すこと)でも測定可能になりました。最近では指先以外の痛みを感じにくい部分(前腕、上腕など)からの採血(AST ; Alternative Site Testing)が注目されています。
 究極的には、からだに針を刺す必要のない、非侵襲式の血糖自己測定器が待ち望まれています。また、連続的に血糖値をモニタリングできるシステムへの需要も高いです。
非侵襲式のSMBGは理論の上では可能だといわれており、海外では既に発売されているものもありますが、従来と同等の測定精度を保つには、さらに研究開発が求められます。
 また制度やソフトの面に目を向けると、SMBGの保険適用は、現時点ではインスリン自己注射症例に限定されています。今後は非インスリン注射症例への適用拡大が望まれます。
 これからのSMBGは、毎日ただ血糖値を測ることに終始せず、その測定結果を生活を顧みる材料にして今後のライフスタイルに反映させるというように、SMBGを最大限に活かす工夫が今後ますます重要になります。
   
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